個人的不定期雑感はてな

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今年見たTVドラマ

今年は考えてみればあんまりテレビドラマに関する感想を書いていなかったなあ、ということで、先日の予告どおり、2008年に見たドラマの総括なぞを。

1月クール

未来講師めぐる
宮藤官九郎脚本の連続ドラマとしては、'06年の昼ドラ『吾輩は主婦である』以来で、昼ドラを除くと『タイガー&ドラゴン』以来の3年ぶりとあって、期待度は高くちゃんと録画してチェックしていたのですが、段々とリタイアしてしまいました…(_ _;;
「20年後の姿が見えてしまう」という設定も面白く、それを逆手にとったようにホロッと良いこと言ってみたり、魅力的な面もあったんですが、なんとなく雰囲気に馴染めなかったなあ。ドラマのなかで頻繁にパロディされていた『ちい散歩』も、こちらだと放送もされていないので今一つその空気が分かりにくかった。

4月クール

ハチワンダイバー
真剣師との対決をテーマにした将棋ドラマ。原作漫画は未読ですが、タイトルは聞いた事があったので興味を抱いて視聴。ちなみに将棋のルールすらよく分かっていない…。
まあ、でもドラマとしても詳しい棋譜や局面は描写されていなかったので、将棋の頭脳戦を描くみたいな意図はあまり無かったようで、単純に「真剣師」というものに身を投じる人間ドラマとして面白かった。時に「トンデモ」な演出が突き抜けていたのも見所のひとつでした。でも、後半になるに連れその「トンデモ」にウエイトがシフトして行ってしまった感があって、急にチープになってしまった…。鬼将会のボスはしょぼかったなぁ。
サンドウィッチマン、木下優樹菜の初ドラマ。φ

7月クール

33分探偵
堂本剛が探偵役とあれば、見ないわけにはいかない(笑)。そして、その期待に違わず、いやあ「面白かった!」。
次々と飛び出す鞍馬探偵の奇想天外・荒唐無稽な迷推理のバカバカしさには、毎週欠かさず笑わせて貰いました。安っぽいCG合成シーン、鑑識とのやり取り、エンディングのストップカット…あらゆる場面がナンセンスでシュールな仕掛けに満ちていて、それらが一体となって醸し出される独特の『33分探偵』ワールドは、33分間 至福の時でした。コメディー作品としては、今年一番の傑作でした。
なにより個人的に嬉しかったのが最終話―

鞍馬「この簡単な事件、オレが33分もたせてやる…ジッチャンの名にかけて!」
リカコ「はじめちゃん…!」
大田原「はじめちゃんって誰だ…?」

このくだり、何度見てもにやけてしまう…。

10月クール

『流星の絆』
ついこの間、最終回を見終わった所なのですが、個人的には今年一番の名作。
14年前に両親を殺され、復讐を誓う三兄妹の物語。これだけを見るとシリアスなドラマだと思いがちだけど、日常は微笑ましい位に明るく前向き。被害者遺族だからと言って、24時間暗い表情で暮らしていないといけないなんて道理があるわけも無く、普段明るいからこそ、メリハリが利いて14年前の事件の陰が重く印象に残る。ここら辺、4年前のドラマ『ホームドラマ!』に通ずる所があるなあ、と感じたり。
ドラマとしてそういうテーマがあるからこそ、《東野圭吾原作×宮藤官九郎脚本》という組み合わせは、単なる物珍しさだけではない「狙い」があったんだろうな、と思います。程よくコメディー部分がミックスされていて、良い試みでした。
だからと言って「カナダからの手紙」やら「妄想係長・高山久伸」やらの劇中劇は面白いけれども、さすがにハメ外しすぎだよ…なんて油断させておいてその隙に、続く「ダイヤと嘘とやさしいレストラン」が今度は事件の核心に迫る内容が潜んでいたりして、あなどれない。ああ、一連の劇中劇はこの為の布石でもあったのか、と感嘆しました。よく考えられてるなあ。


東野圭吾原作の、主人公の半生を描いたドラマとしては一昨年の『白夜行』も名作でした。この作品は幼少期の出来事を初回の2時間スペシャルに凝縮して放送し、その内容が後々になって意味を成してくる点で印象的だったのですが―
その点、今作『流星の絆』では、時系列順にストーリーを追うのではなく、状況に応じて適宜 回想シーンが挿入されるのも特徴的でした。
本来なら時系列がごちゃ混ぜになって混乱してしまいがちなのですが、それを違和感なく、むしろより感情移入させて見入らせることができる構成力の上手さは、やはりクドカンですね(原作小説は未読なので、原作でも同様の構成が執られていたのかな?)。14年前、アリアケが取り壊される日のシーンで、幼少期の三兄妹と現在の三兄妹が交差する演出がありました。ともすれば滑稽にしか見えない演出なんだけど、絶妙な塩梅でこのシーンもまた情感的に仕上がっていて、もう正直、泣きそうになってた。


と言うか、このドラマ自体が…妙に涙腺が緩んでしまう。
第2話で有明功一(二宮和也)がハヤイライスを作って、泰輔(錦戸亮)や静奈(戸田恵梨香)に振る舞った場面とか、第4話で戸神行成(要潤)に招かれ、静奈がとがみ亭でハヤイライスを食べて涙する場面(先述の「ダイヤと嘘とやさしいレストラン」)とか、第6話で静奈が本当の兄弟じゃないと知った場面とか、第9話で柏原さん(三浦友和)が電話越しに功一に言った「今までよく頑張ったな」の一言とか。
ああ、思い出すだけでも結構…。個人的に極めつけだったのが最終回…【戸神行成が静奈にプロポーズ】する場面。もうさ、愚直なまでに一途な行成が良いなあ。その思いが静奈にも安堵感を与えていて、何より功一や泰輔が願っていた静奈の幸せがあって、お誂え向きに“柱”や“3000万円のダイヤ”といった伏線まで利いていて、何かこう「すべてが成就された」ような、この作品のクライマックスだったように思います。行成と静奈の組み合わせが見ていて好きだっただけに、この関係性が壊されることがなかったのは嬉しかった。
もちろん、その後のアリアケ新装開店のラストシーンも素敵なエピローグなんだけれども、個人的にはやはりレストランのシーンがお気に入りですね。


ただ、【両親殺害の真犯人が柏原さんだった】という点だけが唐突すぎて、う〜ん。
ここら辺、原作小説のほうだともっと上手く伏線や布石が打たれて展開されているんだろうなあ、と思います。今回のドラマはクドカン色で色濃くアレンジされていたので、中途半端に途中で原作小説を読んでしまうのも水を差してしまうかな、とあえて読んでいなかったので、今度 改めて原作小説のほうも読んでみたい所。


ハヤシライス食べたくなる。

流星の絆 DVD-BOX流星の絆 DVD-BOX
二宮和也, 錦戸亮, 戸田恵梨香

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