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バクマン。20巻

バクマン。』第20巻

  • 169ページ:声と反響
  • 170ページ:知名度と人気
  • 171ページ:マイクと台本
  • 172ページ:美保と菜保
  • 173ページ:瞬間と最終巻
  • 174ページ:あり方と終わり方
  • 175ページ:発売日と前夜
  • ラストページ:夢と現実

バクマン。』ここに完結の第20巻です。前巻と同じく、8話収録でした。
その8話のなかに、亜豆のラジオ発言、公開オーディション、『リバーシ』の大団円、そしてプロポーズが詰め込まれていて、文字通り最終回に向けて突っ走っているなあ、という感慨が強い最終巻です。


前巻から引き続き、亜豆のラジオ番組の模様からスタート。生電話にサイコーまで登場したことで、世間的に交際もOKになったみたいです。
ただ、ネットやファンの間では遺恨も残っており、公平性を誇示する意味で『リバーシ』ヒロインの声優は公開オーディションで視聴者投票によって決定することに。
いやあ、現実的にこの対応を執るのは勇気いるよなあ。コネだなんだ懸念するのは当然だけど、どんな反応が起こりうるか考えるとなかなか踏み切れるものではないです。(もっと言うと、あの圧勝ぶりも今度はヤラセと騒がれそうな気もするが…)
そんなワケで公開オーディション。演技の良し悪しを漫画で表現するのって難しいと思うんですが、要所要所で亜豆と他の声優とで意気込みの違いを感じさせる描写が盛り込まれていて、なかなか良かったんじゃないでしょうか。見入りました。
コミックス派ゆえに1つ残念だったのは─。一瞬、「亜豆がセリフを間違った…!?」ってなる場面。コミックスではその前話終わりのおまけページに掲載されているネーム(下書き)のなかに「一応ここ原作では『黒悪魔』で、亜豆だけ原作読み込んでて間違わなかったとやるかもですが、サイコー達に反応させずサラッと」という伏線について大場さんが指示するト書きがあって。おのずとそちらを先に読んじゃったので、「あれっ、間違えてる!?」感を味わえなかったのが残念…(^-^;; 制作裏話的にはこのページをネーム掲載採用するのも頷けるんですけど、ちょっと考えて欲しかったな。


続く『リバーシ』大団円へと至る展開も見応えありました。
まあ、『リバーシ』という作品をずっと読んでいた読者ではない以上、作中読者が感激するほど、あのラストカットが凄いのかは分かり得ませんが、新妻エイジにも差をつけての完結というのは感慨深かったです。
周りの面々も、このラストに圧倒されている中で、こっそりと「実は『僕通』も素晴らしいラストに向かっているところで」とこぼす、どこまでも平丸らしいキャラクターがあらためて好きです(笑)。
全盛期にメディアミックスの開始を待たずに終了した作品と言えば、やはり大場×小畑の前作『デスノート』を思い浮かべるんですが、なにか漫画に対する1つの信条みたいなものが表れているんでしょうかね。


そして、物語もいよいよラストです。
最終話サブタイトルは、第1話とおなじ「夢と現実」。舞台は、中学3年の時にサイコーと亜豆が初めて夢を誓い合った亜豆の家の前。…ここまで徐々に物語が畳まれ始めていることも相まって、シチュエーションにはグッと来ていたのですが…
正直、なぜあそこで終わる…
というもどかしさが残って、せっかくのラストなのにちょっと腑に落ちない感じになってしまったのが正直なところ。
作者としては、あえてここで終わらせることに何かこだわりがあったのだと思いますが、ありきたりだけれども結婚式とかで仲間がみんな揃ったカットで〆…という結末を見たかったかな。それがコミックス巻頭にあるピンナップだと思って、補完することにします。
最後の最後にケチつけてしまうようで、すいません。


とは言え全20巻、面白かった。大場さん、小畑さん共にお疲れ様でした。

バクマン。 20 (ジャンプコミックス)バクマン。 20 (ジャンプコミックス)
小畑 健 大場 つぐみ

バクマン。 19 (ジャンプコミックス) 銀の匙 Silver Spoon 4 (少年サンデーコミックス) SKET DANCE 25 (ジャンプコミックス) バクマン。 18 (ジャンプコミックス) 銀魂―ぎんたま― 45 (ジャンプコミックス)

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