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6月なのに『真夏の方程式』

先週土曜日に放送された映画『真夏の方程式』。
ガリレオシリーズ最新作で、結局映画館やBDでも観ておらず放送楽しみにしてました。

そして放送直前になって、やっぱり原作小説を先に読んでおきたい…となって、土壇場で読了しました(^-^;;

結果、映画もより楽しめました。
映画ではどうしても細かい情報が抜け落ちてしまう所を原作小説で補いつつ、でも要所要所の心情描写は映画の方が抜きんでていたシーンも多く感じました。

白眉だったのが、紙炊きのシーン。
濡れたコースターを固形燃料に被せるとどうなるか─。原作小説では火が消えると説いたのに対して、映画では恭平を思ってかその実験を制止する湯川の姿がありました。
傍らで気が気でない叔父・重治の心境も伝わってきて、より良いシーンになっていました。

この場面をはじめ、湯川“博士”と恭平少年のやり取りが本作の魅力ですね。
真相自体は必ずしもトリッキーな内容じゃないし、2時間サスペンスっぽさもあるけど、恭平の存在がこの作品を格別なものにしている。

湯川の子供嫌いという設定は、実写化する際に誇張しすぎたきらいがあって、そのせいでわざわざ「蕁麻疹が出ない」なんて注釈を入れなきゃいけなくなったのはご愛敬ですが…(笑)
決して湯川らしさを損なうことなく、無愛想に見えながらも、しかし恭平のことを思い真正面から向き合う湯川の姿には感慨深いものがありました。

ラスト。
葛藤を隠せない恭平と、今は答えを出すべき時じゃないと語る湯川の締めくくりは素敵でした。


…で、タイトルの「方程式」って結局どういう意味だったんだろう(^-^;;
(方程式のように紐解かれていく人間関係とか、恭平が最後に受け取ったレポート用紙かな、とか推測はするけど、具体的にこういう意味だった、みたいな比喩はないのかな)

真夏の方程式 (文春文庫)

真夏の方程式 (文春文庫)