面白かったかもしれない女優たち
『かもしれない女優たち』が面白かった。
昨日、フジテレビ系列で放送されたバカリズム脚本の単発ドラマ。
竹内結子、真木よう子、水川あさみが、もし売れっ子女優になれていなかったら…というテーマでいずれも本人役で演じられたオムニバスコメディ。
劇中に登場するドラマや映画も、実際の経歴に即した内容になっていて、ちょっとずつ現実と違うリアリティさが面白い。
「日刊真木よう子」は良かった、そう来たか…笑。*1
なかでも、このブログ的にピンと来なきゃいけないのは…
水川あさみ編に出てきた「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」ですね。
「上海魚人伝説」のオーディションに落ちて以降、芽の出ないエキストラ女優に。片や女優として活躍する友人への嫉妬なども交えて展開していくのですが。
その友人が勝ち取った役こそが「上海魚人伝説」で、劇中の“水川あさみポジション”に収まっていきます。
このドラマは、主演女優へのインタビューにも基づいて描かれた作品なんだそうで。
ほかに出てくる実在作品名の大抵がフジテレビ作品というなかで、きちんと「金田一」の名前が出た、というのが水川あさみ自身の思い入れが垣間見えたようで、なんだか嬉しい気持ちになりますね。
そして白眉だったのがオムニバスの構成。
短編作品集に見せかけて、その実、作品同士が世界観を共有する構造になっていましたー、なんてオチの作品はまま見かけます。
でも第1話から第3話にかけて、段々と世界観が吸収されていくように変質していく不思議な感覚でした。
第1話・真木よう子編のなかでは、水沢あさみも竹内結子も売れっ子女優で、彼女らに嫉妬を覚えるシーンも出てきます。
第2話・水川あさみ編に入ると、売れっ子なのは竹内結子のみで、真木・水川の2人はエキストラ女優仲間。
第3話・竹内結子編になると、売れっ子女優は居なくなり、それぞれの新天地での活躍が絡み合ってきます。
かと思えば、第3話で編集者としての竹内結子がインタビューした記事が、第1話に登場した雑誌なのだと気付かされたり。
水川あさみのライバルとして登場した白石奈緒(奥村佳恵)がエンディングでフジテレビ受付嬢でしたが、ちゃんと各パートのイントロでも受付嬢として映っていたり。
ほかにも見返してみると色々ありそう。そういった入れ子細工の伏線が鮮やかでした。
この遊び心の入れ方が、分からないけどなんかバカリズムっぽさですね。
終盤、祝賀会のバーのシーンで、モテないと嘆いていた真木よう子が放った「女子力ないもんー」ってセリフが、もうあのネタにしか見えない。
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