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甘く苦い真実…『リバース』第9話

前々回の記事に続き、ドラマ『リバース』の話題です。

「告発犯の正体」以上の展開を見せられた以上、なにか書かずにはいられませんでした。
正直、「告発犯の正体」がピークで、このあとの展開は蛇足になるんじゃないかという危惧も持っていたので、さすが抜かりなかったです。

いや、小笠原(武田鉄矢)が刺されたり、その件で秘書(山崎銀之丞)が捕まったあたりは興醒めでしたよ…苦笑。
でも、そのあとに明かされた真実に見入った第9話でした。

※以下、核心部分のネタバレを含みますのでご注意ください。





広沢由樹(小池徹平)の死に、これ以上、誰かが介入しているなんて、そんなバカな…と訝しんでいた。
その訝しみは、ある意味正しかったと言うか…

蕎麦アレルギーというキーワードに感嘆し、
高原ハチミツで瞬時にイヤな予感が広がり、
とどめは成分表─。

疑問点が氷解するというよりは、疑問でもなんでもなかった描写が、あまりに酷な真実へと直結して紐づいていく感覚が堪らない。
物語としては切ないけれど、同時にミステリとしての醍醐味でもありました。

それにしても皮肉。
さんざ飲酒運転にスポットを当ててきたのに、結果的に深瀬(藤原竜也)が淹れたハチミツ入りコーヒーこそが死の原因だなんて。

もちろん、その状況に至ったという点では…
酒を飲ませた谷原(市原隼人)、
運転させた浅見(玉森裕太)、
迎えに来させた村井(三浦貴大)
…にも引き続き責任の一端はあると思います。
しかし他ならぬ深瀬こそ最も深い咎めを負っていたという。

そして、この真相のなにが辛いって、残酷なことを言うようだけど…
蕎麦アレルギーを公言しなかった広沢の優しさもまた、この事態を生んだ一因でもあるんだよな、と。


次週、最終回。
ここまでに出てきたテントウ虫のキーホルダーとか血痕の状況とかから察するに、事件のさらなる核心部分にも広沢の仲間思いな性格が働いたんじゃないかと予想してます。

広沢の優しさが爆発する。…いや、この比喩はちょっとシャレになってない気がするけど。
それを思うと最終回、早くも胸が締め付けられる思いがします。


余談ですが。
最終回の展開はドラマオリジナルで、原作小説の内容は第9話分までで描き終えている、という情報を見ました。

すごいな、あの場面で幕を閉じるのかと、順番逆だけど軽く鳥肌が立ちました。
そしてミステリ小説としては、なるほど、最高の締め括り方だな、とも感じた。ドラマに合わせて途中まで読んで止めていたけど、ドラマが終わったら、こちらも最終章まで読んだ確認したい。

リバース (講談社文庫)

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